とはいえそれぞれのPCに別々のマウスとキーボードをつけていると
机の上がキーボートとマウスだらけになってしまいます。
1台のPCにつないだマウス・キーボードで
ネットワークで繋がる他のPCを操作できるソフトウェアは昔からあり、
Windowsマシン同士なら以前紹介したこともある
MIcrosoft純正のMouse without Bordersがあります。
これだとまるでマルチモニタ環境のように複数PCを扱えます。
WindowsとMacの間で共有を実現できる
Mouse without Borders for Macなるものも存在し、
多くの場合ソフトウェアのインストールで共有が実現できます。
ではLinuxとは?
残念ながら最近までLinuxで対応できるソフトを私は知りませんでした。
そういうときに便利なのがUSB切替器で、
つないでいるUSBデバイスを2つのPCのうちどちらに接続するかを
切替器のボタンで切り替えられるハードウェアです。
ソフトウェアの介在しないハードウェアなので、
Nintendo SwitchやPS4のような専用機でも使えます。
ただ使い勝手はMouse without Borders等よりは劣ります。
が、最近知ったのが[Synergy]。
こいつならWindows、Mac、Linuxで横断的に
マウス・キーボードを共有できます。
現在は有料ソフトのようですが、昔のバージョンは無料で使えるようです。
ということで早速Windows-Linuxを旧バージョンでつないでみます。
なお今回はUbuntu 14.04側の入力デバイスで、
ネットワークで繋がったWindows10を操作してみます。
まずはUbuntu 14.04にSynergyをインストールします。
# apt-get install synergyの実行でバージョン1.4.12がインストールされました。
ランチャー上端の[コンピューターとオンラインリソースを検索]で
"synergy"を探し、起動すると設定ウィンドウが表示されます。
利便性を高めるため、このときランチャーに登録しておきます。
何もしなければOS起動時に自動起動してくれないので、
ランチャーから起動できるようにしておくのがいいでしょう。
なお起動すると画面右上にsynergyのアイコンが現れ、
こちらから[Show]メニューを選ぶことで先の設定ウィンドウが開けます。
Ubuntu上で設定ウィンドウを開き、
[Server]を選択して[Start]ボタンをクリックし共有開始です。
ですがまだ準備中ですので、慌てないように。
次にWindowsにsynergyをインストールします。
ここからダウンロード可能です。
ちょうどUbuntuに入れたのと同じバージョンの
1.4.12 BETAがあるのでこれをダウンロードし、インストールします。
セットアップ中に設定で[Client]を選択し、
通信内容の暗号化方式を選定します。
有線のローカル接続なら[Disable encryption]でも構わないでしょうが、
打ち込んだパスワードが丸見えになるので、適切に判断ください。
私はとりあえず[Disable encryption]にしました。
続いて設定するのは[Server IP]。
前述のUbuntuマシンのIPアドレスを設定します。
[Apply]を押すと共有が開始されます。
ただしまだ準備中、慌てないように。
この状態でUbuntuの設定ウィンドウの[Log]欄を見ると、
WARNING: unrecognised client name "<マシン名>"のようなエラーが表示されているのでこの[マシン名]をメモしておきます。
ここで一旦[Stop]で停止し、[Configure Server...]を押して
[Server Configuration]ウィンドウを開き、
2台のPCの画面の並びを意識しつつ
右上のモニタのアイコンを升目のどこかにドラッグ&ドロップし、
追加されたモニタアイコンをダブルクリックして
[Screen Settings]ウィンドウを開いて、
[Screen name]に先にメモしたマシン名を設定すれば完了です。
再び[Start]すればUbuntuとWindowsをマルチモニター環境の様に
Ubuntu側のマウス・キーボードで操作できます。
とりあえず触ってみた範囲では致命的な不都合はなさそうで、
マウスのスクロールホイールも使えます。
それにクリップボードの共有もしているのか、
マシン間の文字列のコピー&ペーストも可能です。
ただし共有を有効にしていると、
サーバー側のUbuntuでマウスポインタの位置によって
ポインタの画像がうまく切り替わらなかったり、
Chromeブラウザ上のコンテンツでマウスオン時に
本来表示されるティップが表示されなかったり、
クライアント側のWindowsでマウスポインタが表示されない、
さらには[電卓]キーのようなあまり見ないキーは押しても無反応
といった細かい不具合はあります。
しかし総じて大変便利で、これなら金払ってもいいレベルですね。
まあとりあえずフリーで使い続けますけど。
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