2018年10月9日火曜日

Synergyで入力デバイス共有

今や複数のPCを同時に扱うことは珍しいことではありません。
とはいえそれぞれのPCに別々のマウスとキーボードをつけていると
机の上がキーボートとマウスだらけになってしまいます。
1台のPCにつないだマウス・キーボードで
ネットワークで繋がる他のPCを操作できるソフトウェアは昔からあり、
Windowsマシン同士なら以前紹介したこともある
MIcrosoft純正のMouse without Bordersがあります。
これだとまるでマルチモニタ環境のように複数PCを扱えます。
WindowsとMacの間で共有を実現できる
Mouse without Borders for Macなるものも存在し、
多くの場合ソフトウェアのインストールで共有が実現できます。
ではLinuxとは?
残念ながら最近までLinuxで対応できるソフトを私は知りませんでした。
そういうときに便利なのがUSB切替器で、
つないでいるUSBデバイスを2つのPCのうちどちらに接続するかを
切替器のボタンで切り替えられるハードウェアです。
ソフトウェアの介在しないハードウェアなので、
Nintendo SwitchPS4のような専用機でも使えます。
ただ使い勝手はMouse without Borders等よりは劣ります。

が、最近知ったのが[Synergy]。
こいつならWindows、Mac、Linuxで横断的に
マウス・キーボードを共有できます。
現在は有料ソフトのようですが、昔のバージョンは無料で使えるようです。
ということで早速Windows-Linuxを旧バージョンでつないでみます。
なお今回はUbuntu 14.04側の入力デバイスで、
ネットワークで繋がったWindows10を操作してみます。

まずはUbuntu 14.04にSynergyをインストールします。
# apt-get install synergy
の実行でバージョン1.4.12がインストールされました。
ランチャー上端の[コンピューターとオンラインリソースを検索]で
"synergy"を探し、起動すると設定ウィンドウが表示されます。
利便性を高めるため、このときランチャーに登録しておきます。
何もしなければOS起動時に自動起動してくれないので、
ランチャーから起動できるようにしておくのがいいでしょう。
なお起動すると画面右上にsynergyのアイコンが現れ、
こちらから[Show]メニューを選ぶことで先の設定ウィンドウが開けます。
Ubuntu上で設定ウィンドウを開き、
[Server]を選択して[Start]ボタンをクリックし共有開始です。
ですがまだ準備中ですので、慌てないように。

次にWindowsにsynergyをインストールします。
ここからダウンロード可能です。
ちょうどUbuntuに入れたのと同じバージョンの
1.4.12 BETAがあるのでこれをダウンロードし、インストールします。
セットアップ中に設定で[Client]を選択し、
通信内容の暗号化方式を選定します。
有線のローカル接続なら[Disable encryption]でも構わないでしょうが、
打ち込んだパスワードが丸見えになるので、適切に判断ください。
私はとりあえず[Disable encryption]にしました。
続いて設定するのは[Server IP]。
前述のUbuntuマシンのIPアドレスを設定します。
[Apply]を押すと共有が開始されます。
ただしまだ準備中、慌てないように。

この状態でUbuntuの設定ウィンドウの[Log]欄を見ると、
WARNING: unrecognised client name "<マシン名>"
のようなエラーが表示されているのでこの[マシン名]をメモしておきます。
ここで一旦[Stop]で停止し、[Configure Server...]を押して
[Server Configuration]ウィンドウを開き、
2台のPCの画面の並びを意識しつつ
右上のモニタのアイコンを升目のどこかにドラッグ&ドロップし、
追加されたモニタアイコンをダブルクリックして
[Screen Settings]ウィンドウを開いて、
[Screen name]に先にメモしたマシン名を設定すれば完了です。
再び[Start]すればUbuntuとWindowsをマルチモニター環境の様に
Ubuntu側のマウス・キーボードで操作できます。

とりあえず触ってみた範囲では致命的な不都合はなさそうで、
マウスのスクロールホイールも使えます。
それにクリップボードの共有もしているのか、
マシン間の文字列のコピー&ペーストも可能です。
ただし共有を有効にしていると、
サーバー側のUbuntuでマウスポインタの位置によって
ポインタの画像がうまく切り替わらなかったり、
Chromeブラウザ上のコンテンツでマウスオン時に
本来表示されるティップが表示されなかったり、
クライアント側のWindowsでマウスポインタが表示されない、
さらには[電卓]キーのようなあまり見ないキーは押しても無反応
といった細かい不具合はあります。
しかし総じて大変便利で、これなら金払ってもいいレベルですね。
まあとりあえずフリーで使い続けますけど。

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