2019年7月11日木曜日

Nintendo Switch Lite

先月末開催された任天堂株主総会の質疑応答の中で、
新型Nintendo Switchに関する噂に対し、
「お客様の驚きを奪ってしまうことになり、
株主共同の利益 にも反することと考えていますので、
ご説明は差し控えさせていただきます。」
との回答がありましたが、
ついにその新型についての発表が行われました。
その名も[Nintendo Switch Lite]です。

任天堂の次世代携帯ゲーム機については、
大方の予想を裏切るような斬新なものが出てくれば
私としては面白く、一応期待はしていたのですが、
展開としては中の中といったところでしょうか。

ゲーム開発に掛けねばならないリソースが膨大になった昨今、
任天堂としては据置機と携帯機で開発リソースを分散するのは辛く、
近年ソフト開発の面ではいろいろな場面で
据置機と携帯機の統合について語っていましたし、
そもそも半据置機的なNintendo Switchを登場させた時点で
Nintendo Switch Liteの芽は見えていました。

コンテンツの状況から見てもそうです。
ポケットモンスターシリーズの完全新作は携帯機向けに出すのが常套で、
プレースタイルを考えてもやはり携帯機向きです。
この年末にNintendo Switch向けを出すということは
Nintendo Switchこそが携帯機あると宣言しているようなもので、
その主要ターゲットにNintendo Switchを買ってもらうためには、
もっと低価格にする必要があります。
機能的に割り切り、コストを削減したNintendo Switch Liteは
まさにそこが狙いなんでしょう。

コストの削減の仕方も予想していたとおりです。
本体とJoy-Conの一体化、外部テレビへの出力非対応で
大幅に部材を削れます。HD振動のアクチュエータなど、
高そうなものも大胆に削っています。
それでも現存のJoy-Conを別途接続することで
市場にあるゲームをなるべくフルに遊べるような配慮もしています。

小型化については思ったほどではなく、
91.1mm×208mm×13.9mmと大きめなスマートフォンと同程度で、
Nintendo3DS LL(93.5mm×160mm×21.5mm)の上側の左右に
操作系が追加されたようなイメージです。
LCDは5.5インチですが、もうちょっと小さくして、
本体もより小型化、低価格化してほしかった気がしますが、
解像度は1280×720とNintendo Switchに合わせてあります。
違うとコンテンツ側の対応が面倒ですからね。

電源コネクタはACアダプタと合わせ、
コストが割高なUSB Type-Cを辞めるかとも
思ってましたがそのままにしてきました。
すでに量産効果が十分出ているのかもしれません。

価格についてはほぼ2万円+消費税と約1万円廉価にはなるものの、
もうちょっと何とかならなかったのかなと。
グローバルの視点だとこれくらいが落とし所なのかもしれませんが、
国内に目を向けるとそう安いようには感じません。
Nintendo Switchのゲームをフルに楽しむなら
別途Joy-Conそれを充電をする機材が必要なわけで、
約1万円の値引き分はその分で帳消しになってしまいます。
となるととにかく携帯したいユーザーと
各家庭の2台目需要が狙いにはなるのかと。

発売日が9月20日というのは、
10月からの消費税増税の駆け込み需要狙いなのかと。
たかだか+2%ですがどうせ買うなら9月末か。
おそらく初期は日本での出荷数量を増やすんでしょう。

予想外だったのはネーミングでしょうか。
3DSから立体視機能を取り除いた機種に2DSと、
ちょっとトンチが効いていてしかもやや自虐的な名前をつけておいて、
今回はシンプルに"Lite"ですか。
もはやスイッチできないSwitchという意味を含ませたりして
もう少しひねりがほしかったですね。

さてここからはまだ明らかになっていないことについて。
前述の2台目需要に関して、ゲームそのものや
セーブデータのやり取りをどうするのかということです。
ゲームはパッケージ版を買えば物理的なゲームカードが手に入るので、
それを差し替えれば複数の本体をとっかえひっかえすることも可能です。
それでもセーブデータは本体に内在するので物理的な差し替えはできません。
それにゲームもダウンロード版がそれなりに幅を効かせている昨今、
家ではNintendo Switch+大画面テレビで、
出先ではLiteで、というような使い分けができないと
結局Liteはいらないということにもなりかねません。
その辺りどうしてくるのか、簡便でうまい解決方法を望みます。
そこが明らかになってから購入を検討することにします。

Liteになると画面タッチが常に可能になる利点もあり、
無印(特にTVモード)とLiteで操作系が異なるゲームも出てくるかもしれません。
Splatoon2はWiiUでは可能だった画面タッチを
諦めた操作体系になっていますが、
Liteが登場するタイミングでその続編(またはアップデート)には
画面タッチ前提の最適化が加わる可能性はありそうです。
しかしそれって開発者やテスターにとっては手間が増えて…悪夢です。

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