2018年4月16日月曜日

+メッセージ

ネット上のニュースのタイトルってえらくセンセーショナルなものが多く、
驚いて中身を読んでみると別に大したことなく、
恣意的なものであることがほとんどだったりします。
まあPPVや広告費を稼ぎたいとかいう意図があって、
タイトルを真に受ける私などいいカモにされているのかもしれません。

さて先日ニュースに「大手キャリア共同でLINE対抗」
みたいな記事があって、何のことはないRCSのことでした。
RCSについてはそんなに詳しく知らないものの、
上っ面だけなら「大手キャリア」が束になって「LINE」を潰しにかかる、
と見るのも間違っているとは言えないでしょう。

さて、そのドコモとauとソフトバンクが共同で始めるのは
「+メッセージ」なる名称のサービスで、RCS(の一部)です。
RCSは数年前からGoogleが熱心に、
そしてAppleはガン無視しているっぽい
表現豊かなメッセージをやりとりできるツールで、
SMSを発展させたサービスとなっております。
世界では既にサービスしているキャリアも多く、
SMSよろしく世界の誰にでもメッセージを送れるのかと思いきや、
別途キャリア間の接続が必要なのでそうで、現状無理。
しかもRCSに含まれるボイスチャット機能は
「+メッセージ」では採用されないらしく、
後付け機能のご都合実装の様相を呈しています。
端末を海外に持っていって現地のSIMを挿せば
全世界で同じような使い方ができる方向にある
現在の潮流には逆らっているような気がします。

さらにRCSでは電話番号によって送信相手を選択するのですが、
「+メッセージ」では初期操作で電話回線による認証を済ませれば
あとはWiFiでも通信可能って、SMSのようにシステム低レベルの
ページングチャンネルで降ってくるわけではなく、
単なるTCP/IP上のアプリケーションということですね。
であれば「LINE」とそう変わらない。
じゃあ何が違うかといえば、サーバーがインターネット上ではなく、
キャリア網の中にあって、端末からは特定のネットワーク(APN)経由
でないと繋がらないっぽく、つまり独自のAPNを設定するMVNOは、
現状ではキャリアのRCSサーバを使えないということになります。

クライアントアプリケーションによる囲い込みもバッチリで、
RCSと言えば以前から[Androidメッセージ]が対応していますが、
とりあえずは3大キャリアがそれぞれリリースする
アプリケーションのみ対応ということで、
たとえ日本の3大キャリアの足並みが揃っても、
日本独自機能とか実装しかねませんね。
グローバルユニークでお願いしたいところです。

ところでLTEってSMSどうやって送ってるんでしょうか?
3GサポートなしでVoLTE非対応のau系MVNOなSIMカードでは
標準でSMSの送受信ができるのですが、
3Gの回線交換も、VoLTEの機構もなしに、
生のLTEでSMSが使えていることになり、昔から不思議でした。
多分3GPPとかで定義されているのでしょうが、
インターネットで調べても出てきません。
所詮は集合知のインターネット。限界は意外と近くにあります。
誰か詳しい方が書いてくれるといいのですが。
私もその集合知に貢献するべく、何かを書き続けていくことにします。

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