予想どおりですね。
NOTTVが2016年6月30日をもって停波するそうです。
ちなみにNOTTVは「テレビじゃない」ことをアピールして命名されてはいますが、
サービス形態は完全に有料テレビ放送で、
WOWOWなどと違うのは、視聴機器が携帯端末であることだったりします。
ストリーミング型VODがメジャーになっている昨今、
その未来を見通せず、その当時に新規に放送型サービスを起こすこと自体に
無理があったと言わざるをえません。
このNOTTV、そもそも対応端末を作るところからのスタートだったわけです。
地デジのワンセグの頃は、日本の端末メーカーが
世界的にも技術の最先端を走っていたというのもあって、
新発売となる端末のかなりの部分が対応していました。
しかしNOTTVが見られる端末は限られます。
時期が悪いことに、NOTTVが始まることが決まった2010年と言えば、
iPhone4の発売年、Andorid 2.3が登場した年で、
世界共通仕様のグローバル端末が幅を効かせようとしていた時期です。
日本でしか意味の無い機能など、
狭い日本市場のためにわざわざ付けてくれるメーカーは多くはありません。
頼みの日本の端末メーカーも暗黒(収支的には赤?)時代へ突入していきます。
ワンセグについては放送局側は地デジ対応への大規模投資のついで、
といった感がありましたが、
NOTTVでは放送局や鉄塔についても運営会社である株式会社mmbiが
何とかしなければなりませんでした。
このmmbiの現在の財務状況がどうなっているのかは分かりませんが、
かなりの累積損失があることは予想に難くなく、
資本金・資本準備金の約500億円のうちどのくらい出資者に戻るのか…
ああ、株主には苦境に陥っているシャープや東芝もいますね。かわいそうに。
歴史をひも解いてみると、日本の携帯端末向けマルチメディア放送は
地デジから派生したISDB-Tmm方式と米Qualcomm社のMediaFLO方式で争い、
2010年に前者が勝利し、2012年4月にNOTTVとしてサービスを開始しました。
しかしライバルだったMediaFLO方式の米国でのサービスFLO TVは、
それより前の2011年3月31日には終了しており、
他国ではありますがそこに大した需要が無いことは証明されていました。
始める前に止めてしまえば傷は浅かったでしょうに。
まあ総務省から電波を割り当ててもらってしまったので、
止めるに止められなかったんでしょうけど。
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