2016年9月26日月曜日

GoogleのAllo

Google I/O 2016で突如発表されたAlloとDuo。
そしてDuoに遅れること1ヶ月。
ようやくAlloがサービス開始となりました。
起動後に"Preview Edition"と表示されているので、
まだ正式サービスではないのかもしれませんが。

さて、Alloはチャットツールです。
Googleのチャットといえば[Google Talk]に始まり、
現在は[Hangouts]が現役です。
では今後これが[Allo]に移行するのかと思いきや、
使ってみて[Hangouts]と[Allo]は並列して成り立つことが分かりました。
以前[Duo]について触れたことがありますが、
[Allo]はまさにテレビ電話の[Duo]のテキスト版なのです。

[Allo]は[Duo]を踏襲しています。
チャット相手は電話番号で指定し、
3G/LTEのないタブレットNexus7(2013)には
インストールすらできません。
SMSでのデバイス認証(電話番号認証)も必要です。

ただしちょっとおかしな現象に出会いました。
SMS利用不可のSIMカードの電話番号を入力すると
当然認証のためのSMSメッセージが届かず、
手動で認証コードを入力するように促されますが、
これがタイムアウトした後で
戻って改めて別の電話番号を入れると、
SMSで認証することなくAlloが利用可能となりました。バグか?

あとバグではありませんが、デザイン的な問題点にも出会いました。
Android 4.4のisaiでの名前(ハンドルネーム)の入力時、
背景色と未決定文字の色がほぼ同じで文字が見えません。
Android 6のIDOL3ではそんなことないんですけどね。

それからAndroid 6と言えば、
各種許可の与え方がオンデマンドになってますが、
初回起動時には[SMS]、[連絡先]、[ストレージ]の
許可を与えなければその先に進めません。
途中[カメラ]の許可も求められますが、これは拒否して構いません。

実際のチャットについては、
まあよくある普通のチャットアプリケーションです。
Alloが利用できる相手を連絡先から選び、
普通にテキストチャットするだけです。
絵文字も使えます。グループチャットもできます。
いろいろいじっていたらスタンプ的なものも見えましたが、
二度と出てこないので目の錯覚だったのかもしれません。
ただ新しいことはあって、
音声を録音してそれを相手に送ることができます。
半二重のトランシーバのような使い方になります。
ボイスチャットというと音声通話と同意と思いがちですが、
これこそが真のボイスチャットといっていいでしょう。

事前の情報によるとAlloのセールスポイントはAIだそうで、
誰かとのチャットに介入したり、
返事の候補を考えてくれたりするらしいのですが、
ちょっと使ってみたところではそんなことは起こりません。
その代わりAIのGoogle Assistantとの会話は味わうことができました。
最初のGoogle Assistantとの会話は
Alloがデバイスの位置情報を取得できるようにとの要求で、
2台のスマートフォンでやってみたところ、
向こうの言い回しも、こちらの返答候補も各端末で異なっており、
AIらしさの片鱗は見えます。

普通の会話も可能で、
こちらが"hungry"と打つと食事について提案してくれ、
近くのレストラン検索へと導かれたりします。
もちろん音声を録音して送れば音声認識がかかります。
ちなみに"腹減った"と打っても理解してもらえず、
Google検索の結果がそのまま表示されるようです。
まだ日本語には対応していません。

昔auにCメールでチャットするようなシステムがあり、
[Allo]はそれと同じかと考えていましたが、
Googleが狙っているのはむしろGoogle Assistantでの案内で、
そこにチャットツールの革をかぶせているような気がしてきました。
これまでのAndroidでも単発のアシスタントはできましたが、
Alloなら会話を通じて連続的に、
より自然で適切なアシスタントが可能です。
実はAlloのセットアップの際、
Googleアカウントと接続されたとの表示が見え、
それでメッセージの送信先を指定するわけでもないのに
なぜそんなことをするんだろうと疑問ではあったのですが、
Google Assistantが相手の情報を集めたり
管理したりするために使っていると考えれば合点がいきます。

チャットツールとしての[Allo]の普及がどうなるのか、
正直あまり明るい未来は見えません。
Googleのことなので、今流行りのPokemon GOを絡めて
何かやってくるかと思っていたのですが
どうやらそれもなさそうです。
将来のショートメールアプリケーションの代わりに
しれっと統合版[Allo]が収まってる的な戦略なのかもしれません。

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