2011年9月23日金曜日

iPhone5(?) auから販売?

多分あるだろうなと思っていたことが
どうも確からしいことが明らかになってきました。
AppleのスマートフォンiPhoneの新機種
(とりあえずiPhone5と呼ぶことにします)が
auからも発売されるという報道が駆け巡りました。

そもそも先に米国で発売されたCDMA版iPhone4では
GSMをわざわざ殺しているというような話もあり、
iPhone5がW-CDMA/GSM/CDMA全部対応する
グローバルユニークな端末にならない合理的理由がない現状、
auが携帯電話事業者国内2位を死守するためには
導入しない道理はありません。

iPhone5の性能や販売の詳細については
近々正式発表があるはずですのでそれを待つこことし、
ここではこれまでとしましょう。

で、何の話をするかというと、日本の携帯電話メーカー、
いやスマートフォンメーカーの話です。
現在国内でサービスするキャリアに
スマートフォンを納めている純粋な国内メーカーは、
シャープ、パナソニック、富士通東芝、NECカシオの4社だと認識しています。
この4社の海外事業がどうなのかのきちんとした情報を持ち合わせていないので
はっきりとしたことはいえませんが、
日本国内向けがかなりのウェイトを閉めているものと推察されます。

今回iPhone5の発売を開始しそうなauで言えば
シャープ、富士通東芝、NECカシオが影響を受けることになります。
auの今年の第1四半期(2011年4月~6月)のスマートフォン販売数は66万台で、
今年の年間の販売目標は400万台だそうです。
ちなみにスマートフォン含めた携帯電話全体の目標は1200万台のようです。
auのスマートフォンメーカーは上記以外に
PANTECH、SONY Ericsson、HTCの3社があり、
仮にこの6社が販売数量を均等に分け合うとすると、
一社あたりの年間出荷数の期待値は66万台となります。

ここでiPhone5が登場するとどうなるでしょうか。
iPhone5によって販売数全体が底上げされることも考えられ、
auが狙っているのはまさにそこだと思われますが、
その底上げ部分は100%iPhoneの取り分であるため、
他のメーカーには関係ありません。

重要なのは既存のauユーザがスマートフォンに乗り換えるときに
iPhone5を選ぶ可能性は高くなってしまうわけです。
契約の純増数が昨年実績120万件を維持するとすれば、
機種変による端末の販売は1100万台程度と思われ、
そのうち360万台が機種変のスマートフォンとなります。
他のスマートフォンメーカーにとっては
ここのでプレゼンスを死守することが最大命題になるのでしょう。
この客層を如何にiPhone5ではなく
他のスマートフォンに導けるかということになります。
ソフトバンクモバイルでの実績を鑑みるに
かなりの台数がiPhone5にもって行かれそうな気がします。
もし年間100万台掠め取られるとすると、
他メーカー各々の取り分は50万台に減ることになります。
前述の国内メーカー3社が国内キャリア3社に販売するにしても、
多数の機種で積み上げて年間200万~300万台程度でしょうから、
これだけとられると営業利益が吹き飛ぶ可能性も十分考えられます。
実際にはもっとひどい状況になるかもしれません。

さて、世界の携帯電話メーカーが今後どうなっていくかはわかりませんが、
日本メーカーが勝ち上がるには海外メーカーの買収しかないでしょう。
実際問題それは厳しいと思われるので、
国内のメーカー同士による弱者連合で時間稼ぎをするか、
さもなければ海外メーカーに買収されるかぐらいしかないのかもしれません。

日本国内の産業の空洞化が叫ばれて久しく、
製造面ではすでにそれが進んでいますが、
もはや王道製品は日本の企業が開発することさえできない
時代に突入しているのかもしれません。
グローバルに見ると日本は
超高級品、超最先端品、ニッチ製品に特化していくしかないのかもしれません。

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