2011年3月16日水曜日

東日本大震災に関連して - その1 - 津波

私は、地方の国立大学で電気電子工学で大学院を修了し、
電子や情報系にはめっぽう強く、
ついでになぜか政治・経済・法律にも一般の方よりは精通しているのですが、
この機会を借りて思うところなど書いていこうと思っております。
今回は津波について。

津波というのは地震等によって水面下の地形が瞬間的に変わり、
隆起によって収まりきれなくなった海水や
沈降によってできた空間を平滑化するべく起こる現象ですが、
移動するのは水というよりもエネルギーです。

今回の東日本地震では
震央が宮城沖100km辺りですが、そこから海岸線まで30分で到達したとすれば
移動速度は平均して時速200kmはあったわけですし、
性質上水深の深い場所では速度が早く、浅い場所では速度が遅くなります。
洋上のエネルギー伝播速度は音速並にもなります。

また津波はソリトン(孤立波)であり、
浅い場所までくると速度の低下とともに波が集まって波高が高くなります。
陸上に上ってくれば、
水の運動量に物を言わせて押し寄せ続けるのでその威力は絶大です。
水が引くときは通常の波と同様となります。

ミサイルなら迎撃できますが、
津波に対して逆方向から大きな波で打ち消そうとしても、
単なるエネルギーなので透過してしまいますし、
今のところは高い堤防で防ぐ以外に手がありません。
例えば水よりも比重の重い液体で沿岸部を満たせば、
到達波高を抑えることはできるかもしれませんし、
砂糖など溶かして粘り気のある水にすれば到達エネルギーは下げられるかもしれません。
まあ現実的ではありませんが。

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