2016年3月14日月曜日

BONDIC

馴染みの歯科医院に歯石取りだけのつもりで行ったのに、
虫歯を発見されてそのまま治療に…何てことがしょっちゅうありますが、
いつの頃からか、「ヒカリジュウゴウ」で穴を埋めるようになりました。
治療風景から紫外線硬化樹脂だろうことはすぐに分かりました。
昔は紫外線照射装置が結構大きくて、
コロの付いた3段ボックスみたいな台で
移動させていたような記憶がありますが、
最近はハンディでコードレスなものに変わっています。
きっと光源が紫外LEDになんでしょうね。

ところで紫外線硬化樹脂は工作系にも便利そうではありますが、
何だか高価そうではありますし、
グルーガンエポキシ系接着剤でも特別不自由は感じません。

そんなときクラウドファウンディングでみつけたのが
紫外線硬化樹脂と紫外線照射装置をセットにしたBONDICで、
私も寄付してしまいました。
そして約束どおり商品が届きました。

しかし開封してビックリ。
いかにも海外の店で買ったような英語のパッケージが入っています。
よくよく調べてみると、BONDICはカナダのメーカーが北米ですでに売っている製品で、
今回のクラウドファウンディングのテーマは輸入して日本で売ることだったようです。
開発に対するファウンディングじゃなかったのね…orz

まあせっかく手に入れたBONDIC。
気を取り直して使ってみることにしました。
紫外線硬化樹脂はラミネートチューブっぽい本体を指で軽くつまむと、
注射針の先から液体が出てきます。
というか指の温度が伝わって膨張して漏れてるような気がしないでもないかも。
その液体は少し粘性があって、
ちょうど瞬間接着剤のような感じです。
ただしそのままではまったく固まりません。
同梱のチープな紫外LED(青紫に光る)ライトを数秒も照射すると固まります。
あせらずゆっくり作業ができ、自然乾燥を待つこともないのは便利です。
照射しなければ固まらないので液だれやノズル詰まりも気にしなくていいのも長所です。
ただし一度に固められる厚さは1mmのようなので、
厚みを確保したければ層状に何度か繰り返すことになります。

BONDICの主な用途はプラスチックの欠損部分を再生することでしょう。
仕上がりは透明なプラスチックのようで結構強度もあります。
BluetoothヘッドセットBT-A1SSの耳掛け部品はひ弱で、
本体と接続する三日月部分が1cmほど欠けてしまったので、
今回BONDICで修復してみました。
インクジェット型の光造形3Dプリンタを人力エミュレートするようなイメージです。

プラスチックと硬化素材の境界がどうしても弱いので、
厚めに塗りたくって強度を確保しています。ちゃんと使えています。
これでダメなら金属針を添え木にして、
ギブスよろしく硬化液を盛ればいいでしょう。

細かく形を加工したい、あるいは仕上げを綺麗にしたいなら、
硬化後に紙ヤスリ等で整えるのがいいでしょう。

BONDICはプラスチック同士を接着することはできますが、
万能接着材というわけではありません。
ラバーにはくっついてくれませんでした。
なので、くっつかないもので型を作ってそれに液体を満たし、
固めて望む形にすることもできそうです。

なお紫外LEDライトの電源はボタン電池のCR2016が1つなので小型軽量です。
パッケージ同梱のフォルダーに装着すれば
消しゴム付き鉛筆のような感覚で利用可能です。
個人的にはペンライト風にしてeneloopが使えれば
ランニングコストは安くなるような気がしますが、
そうしなかったのは本体を安く量産するためでしょう。
紫外LEDライトの原価はおそらく激安です。
まあLEDなら消費電力は極小なので、
ボタン電池でも十分な使用時間が確保できるでしょうし。
なんなら紫外LEDと抵抗器と電池で自作しちゃえばいいので。

0 件のコメント:

コメントを投稿