昨年3月に唐突に発表された任天堂の新ゲーム機NX(仮称)。
WiiUやNintendo3DSの後継ではない新しいゲーム機とのことです。
2016年に次の発表をするとの予告どおり、
昨年中には公式な情報は何も出てきませんでした。
年が明けて2016年となり、今年のいつどういう発表があるかは分かりませんが、
何かが明かになる前に私の考察等を書き残しておこうと筆を取ることにしました。
まず発表時のニュースリリースによれば、
「全く新しいコンセプトのゲーム専用機プラットフォーム」とのことで、
「ゲーム専用機」であることは確かなようです。
そしてNintendo3DSやWiiUの直接の後継機ではないことも明らかになっています。
そんな中で4つのパターンが思い浮かびましたので、以下それぞれについて考察します。
第1案は「全く新しいコンセプト」という言葉からの発想です。
これまでのゲーム機と言えば、画面を見ながら、あるいは音を聞きながら、
手や体で操作して楽しむものです。
これらすらも引き継がない「全く新しいコンセプト」である可能性はあるものの、
さすがにそれは考え難いので、
技術的・コスト的に何とかなりそうなVR(仮想現実)のようなものかもと予想しています。
任天堂はかつて社内でゲームキューブで裸眼立体を試していたことを公言していますし、
ハード改造の容易度から考えれば
Nintendo3DSベースでVRを試している事は確実でしょう。
どんなゲームがVRに向くのかの試行錯誤は進めることができるでしょうし、
WiiUのSplatoonはVRにしても十分に楽しめそうな気がします。
任天堂ならではのコンテンツで勝負する事はできそうです。
Nintendo3DSとWiiUとは別のラインで併売することも容易でしょう。
また、ゲーム機のキラーコンテンツと成り得る
ドラゴンクエストXIはPS4版と3DS版されることが決まっており、
NX版も検討中であることが明らかになっております。
PS4版と3DS版はストーリーやゲームシステム的には同じでも、
各マシンの特徴に沿って明確に作り分けられているようですが、
NXがPS4とも3DSともまったく異なっていないと、
NX版をつくる意義が薄くなりますし、他版との食い合いが発生します。
NXがVRゲーム機であればそのあたりいい方向にはなります。
しかしいろいろと問題もあります。
スコープ型のVRはスマートフォンベースのものも普及しつつあります。
任天堂自身過去にVirtualBoyというVRゲーム機を発売していることもあります。
昨年の発表時でさえも「全く新しいコンセプト」と表現するのは無理があります。
ついでに言えばそのVirtualBoyが豪快にこけたトラウマも少なからずあるでしょう。
またPlayStation4でもVRは開発が進んでいます。
先のドラクエの話で言うとPS4+VRも選択肢と成り得ます。
NXである必然性はありません。
さらに、VRは外界を遮断するという特徴があり、
係員がいるテーマパークならともかく、
家庭用となると安全性へどう配慮するかが悩ましいです。
任天堂としては手を出すべきでないような気もします。
VRではなくARならその辺りも解決できそうですが、
WiiUの周辺機器としてなら成立しても、
単体のゲーム機として構成するためにはアイディアの飛躍が必要です。
しかしそこに何らかの解答を見出して
「全く新しいコンセプト」と言っている可能性はあります。
第2案はWiiUのスタイル変更です。
WiiUはテレビを利用することなくゲームパッドだけでゲームができていいのですが、
ゲームパッドは単なるコントローラと表示機であり、
WiiU本体からあまり離れることはできません。
この点は発売当時から体験していて不便と感じており、
逆転できればいいのにとは考えていました。
すなわち、ゲームパッドに本体機能のほとんどを詰め込み、
据置部はテレビとのインターフェイスぐらいにしてしまう方法です。
半導体ストレージが大容量化し、
ゲームソフトのデジタル配信も普及してきた今なら、
光ディスクドライブがなくてもなんとかなります。
ただこれはiPad+AppleTVで実現できており、
「全く新しいコンセプト」にふさわしくないように思えます。
スタイル的にWiiUのゲームの使いまわしはできそうですし、
短期間での開発もできそうですが、
こっちの方向には進んでほしくないというのが個人的な希望です。
ただ、システムとしてオーソドックスであれば、
ドラゴンクエストXIを移植しやすいということも事実です。
第3案は携帯ゲーム機ベースのスマートフォンです。
以前は街中で3DSを遊んでいる方をちょこちょこ見かけましたが、
時代が変わって今やかなりの方がスマートフォンユーザー。
すれちがいの発生頻度もずいぶん下がっているのも実感しています。
3DSは子供用でいい大人は使っていません。
そこで発想の転換し、スマートフォンを持てないような客層を
取り込みにかかるのは悪い戦略ではないでしょう。
3DS、いやNintendo2DSから必要性の薄い機能をさらに取り去り、
3Gの通話/SMS/データ通信機能やGPSを追加して、
任天堂が配信するゲームや実用アプリケーションが実行できる、
安価なスマートフォンという位置づけはありだと思います。
3DSのゲームはそのまま遊べなくても容易に移植できれば
ラインナップの早期構築は可能でしょうし、
とりあえず3DS用に販売しているバーチャルコンソールのゲームを
大量投入することもできるでしょう。
すれちがい広場の追加ゲームを無料配布するなどし、
3DSとNXで相互にすれちがい可能とすれば、
確実に減少しているすれちがいもまだ発展できそうです。
当然メインターゲットはまだスマートフォンを買ってもらえないような低年齢層です。
通常のスマートフォンのような自由度がないことが、かえって親に支持されるでしょう。
またPokemon Goの発表時に不自然なまでに子供を排除していたのは、
子供向けにはNXという戦略を見越したこととも考えられます。
もしPokemon Goの発売時にNX本体とNX版のPokemon Goが用意でき、
任天堂がどこかのMVNOと提携して初期費用2万円以下、
音声通話付きで月額基本料が1000円程度ということになれば、
ロケットスタートも十分ありえるのではないでしょうか。
問題は国際対応でしょう。
日本専用とするならともかく、ワールドワイドで売るとなると、
3Gの部分がいろいろな意味でかなりややこしいことになります。
また端末更新期間が短いスマートフォンでは、無線系規格の更新も早く、
同じ設計のハードウェアを数年間売っていきたい任天堂にとって
好ましい市場ではありません。
なによりぜんぜん「全く新しいコンセプト」じゃない!
第4案は、新しいのはハードウェアではなくプラットフォームというパターンです。
実はNXの存在の発表時には
「全く新しいコンセプトのゲーム専用機プラットフォーム」
という言い方がされているんですね。
さすがに任天堂自身がハードウェアを売らないことは考えられないので、
そんなに高機能でも高価でもないコンソールで体裁を整え
そのマシンで動作するNXプラットフォーム上でゲームが遊べ、
Nintendo3DSやWiiUにもNXプラットフォームを載せて
それらでも同じゲームを遊べるようにするというポータビリティは、
昨今のAndroidを見ているとありのような気がします。
また将来的にハード発売直後のソフト不足を解決する手段になりえます。
もちろんハードウェアの特徴に合わせたゲームのアイディアこそが
任天堂の真骨頂でしょうから、こういう汎用化に流れてほしくはないのが
私の個人的希望ではあります。
さて、だらだらと書いてきましたが、
こんな私の考えを一笑に付すような素晴らしいNXが出てくることを期待しています。
そして、今年の株主総会で試遊できたらいいな。
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