UbuntuのLTSは2年毎にリリースされ、最新は22.04なものの、
最近まで18.04を使っておりました。いろいろ事情があるのですが、
20.04はデスクトップの扱いが特殊で使いにくかった、というのが最大要因だったりします。
ただ18.04の5年のサポート期間が終了したこともあり、22.04へと移行することに。
ということで22.04のセットアップ記録を残しておきます。
なお、移行とか言っておいてなんですが、
実際には新規PCへインストールしています。
インストール作業の前にストレージの利用計画を以下のように立てておきます。
デバイス | パティション番号 | サイズ | マウント先 | コメント |
SDD | 1 | 約48GB | | スワップ領域(メインメモリ32GB×1.5) |
| 2 | 約0.5TB | / | ルート |
| 3 | 約1.5TB | /opt1 | フリー作業領域 |
また事情があってNICは3つ装備し、以下のように使用することとします。
- eno1 : プライベートネットワーク(ルータは"10.0.0.1")
- enp4s0 : "172.17.2.1/24"
- enp5s0 : インターネット接続(NAT経由)
インストールディスクは
Ubuntu公式サイトから
[Ubuntu 22.04.2 LTS (Jammy Jellyfish)]の[64-bit PC (AMD64) desktop image]を
ダウンロードして[DVD-R DL]ディスクにイメージとして書き込んで準備します。
例えば[Ubuntu 18.04]に標準で入っている[Brasero]アプリでなら[イメージの書き込み]メニューで可能です。
それではいよいよインストール。以下を実行します。
- PCの電源オン時に[ESC]キー(機種により異なる)を連打してBIOS設定に入り起動デバイスの順を操作して先に作成したDVDから起動
- デスクトップ(ライブ環境)が立ちあがったら画面右下の[Install Ubuntu 22.04.2 LTS]アイコンをダブルクリック
- [インストール]ウィンドウが立ち上がるので[日本語]を選択して[続ける]をクリック
- [キーボードレイアウト]で[Japanese]の[Japanese]を選択して[続ける]をクリック
- [アップデートと他のソフトウェア]では[続ける]をクリック
- [インストールの種類]で[それ以外]を選択し[続ける]をクリック
パーティションの編集を促されるので以下のように操作。
- [/dev/nvme0n1]をクリックしてから[新しいパーティションテーブル...]ボタンをクリックし[続ける]をクリック
- [/dev/nvme0n1]の直下の[空き容量]をダブルクリック
- [パーティションを作成]ウィンドウの[サイズ]を48GB(実際には47998MB)に変更し、[利用方法]を[スワップ領域]に変更して[OK]をクリック
なおswapサイズに特に決まりはないが都市伝説のメインメモリ32GBの×2だとちょっと大きすぎる気がするので×1.5に。
- [/dev/nvme0n1p1]の直下の[空き容量]をダブルクリック
- [パーティションを作成]ウィンドウの[サイズ]を500GB(実際には499999MB)に変更し、[マウントポイント]を[/]に変更して[OK]をクリック
- [/dev/nvme0n1p2]の直下の[空き容量]をダブルクリック
- [パーティションを作成]ウィンドウの[マウントポイント]を[/opt1]に変更して[OK]をクリック
- [ブートローダーをインストールするデバイス]に[/dev/mnvme0n1]を選択して[インストール]をクリック
- [続ける]をクリック
続けてインストールに関する残りの雑多な設定を以下のように行います。
- [どこに住んでいますか?]で[Tokyo]を選択して[続ける]をクリック
- [あなたの情報を入力してください]で以下のように入力
- [あなたの名前]にはアルファベット表記でフルネームを入力
- [コンピュータの名前]には区別のつきやすい適当な文字列を入力
- [ユーザ名の入力]には自分がよく使うアカウント名の文字列を入力
- [パスワードの入力]と[パスワードの確認]には同じパスワード用文字列を入力し忘れないようにする
- [続ける]をクリック
- しばらくして[今すぐ再起動]をクリック
- DVDがイジェクトされてから[Enter]キーを押す
- SSDからUbuntuが起動される
インストール直後のログイン時に[オンラインアカウント]ウィンドウが表示されたら以下のようにする。
- [オンラインアカウント]ウィンドウでは[スキップ]をクリック
- [次へ]をクリック
- [いいえ、送信しません]を選択して[次へ]をクリック
- [次へ]をクリック
- [完了]をクリック
以下でソフトウェアを最新状態にします。
- [ソフトウェアの更新]ウィンドウでは[今すぐインストールする]をクリック
- インストール完了後は[すぐに再起動]をクリック
以下を実行して[端末]をランチャーに登録し起動しやすくします。
- デスクトップ上でマウスを右クリックし現れたコンテキストメニューから[端末で開く]を実行
- デスクトップ左端のランチャーに現れた[端末]アイコンを右クリックし[お気に入りに追加]を実行
アップデートが完了して再起動後にログインして[端末]を起動してrootユーザ関連の整備のため以下を実行します。
$ sudo su -
# passwd
# exit
$ su -
また以下でよく使うツール類をインストール。
$ su -
# apt update
# apt install net-tools
# apt install traceroute
# apt install tree
# apt install vim
# apt install openssh-server
# apt install bridge-utils
# apt install git
# apt install x11-apps
# apt install whois
# apt install galculator
# apt install meld
# apt install cpuinfo
ネットワーク設定ファイル"/etc/netplan/02-custom.yaml"を作成して内容を以下のようにします。
network:
version: 2
ethernets:
eno1:
dhcp4: true
dhcp6: true
routes:
- to: 10.0.0.0/8
via: 10.0.0.1
- to: 192.168.0.0/16
via: 10.0.0.12
- to: 172.16.0.0/12
via: 10.0.0.1
enp4s0:
dhcp4: false
dhcp6: false
enp5s0:
dhcp4: false
dhcp6: false
bridges:
br0:
interfaces: ["enp4s0"]
dhcp4: false
addresses: ["172.17.2.1/24"]
br1:
interfaces: ["enp5s0"]
dhcp4: true
dhcp6: true
ここでブリッジを使っているのは
仮想マシン(kvm,lxc等)の利用を前提としているからです。
そしてこれを反映するため以下を実行します。
# netplan apply
ユーザーディレクトリにある日本語名ディレクトリはコマンドライン上で入力するのが面倒なので以下を実行してリンクを作っておきます。
$ cd ~
$ ln -s ダウンロード download
$ ln -s テンプレート template
$ ln -s デスクトップ desktop
$ ln -s ドキュメント document
$ ln -s ビデオ video
$ ln -s ピクチャ picture
$ ln -s ミュージック music
$ ln -s 公開 public
sshで接続するために接続先の公開鍵に対応する秘密鍵(標準的なファイル名は"id_rsa")を"~/.ssh/"にコピーし、以下を実行します。
$ cd ~/.ssh
$ sudo chown `whoami`:`id -gn` *
$ chmod 600 *
sshでの接続が楽になるように設定ファイル"~/.ssh/config"の内容を編集しておくといいでしょう。
ただしここでは具体的内容は省略します。
なお、このPCは他のローカルPCのからsshでログインされることのみを想定しているため、
"~/.ssh/authorized_keys"に公開鍵を置くことはせず、パスワード認証のみでログインできるものとします。
続いて、ウェブブラウザはChromeに限る、ということでChromeブラウザをインストールします。
- UbuntuにプリインストールされているFirefoxでChromeのダウンロードサイトを開き、[Chromeをダウンロード]をクリックして、適合する版をダウンロードする。Ubuntuの64ビットなら"google-chrome-stable_current_amd64.deb"がダウンロードされる。
- [ファイル]アプリケーションから[ホーム]ディレクトリの[ダウンロード]ディレクトリを開き、先のファイルを右クリックして[別のアプリケーションで開く]メニューの[ソフトウェアのインストール]ダブルクリックし、[インストール]をクリック。
- 起動するにはターミナルコンソールから以下を実行すればChromeが起動する。
$ google-chrome-stable
- 起動するとランチャーにChromeのアイコンが表示されるので右クリックで現れるコンテキストメニューから[お気に入り登録]を選び起動を簡単にしておく。
デスクトップの時計は秒まで表示してほしいのでカスタマイズ。
- まずはツールのインストールから。以下を実行します。
# apt install chrome-gnome-shell
- 次いで標準のウェブブラウザ[Firefox]を起動してhttps://addons.mozilla.org/ja/firefox/addon/gnome-shell-integration/を開く。
- [+Firefoxへ追加]をクリックして[GNOME Shell integration]をインストール。
- その後https://extensions.gnome.org/extension/1462/panel-date-format/を開いてページ内の[OFF]を[ON]に変更。
- ダイアログウィンドウが現れるので[インストール]を選択。
- あとは好みの表示形式にするだけ。例えば
$ dconf write /org/gnome/shell/extensions/panel-date-format/format "'%Y/%m/%d\(%a\) %H:%M:%S'"
を実行すると直後に時計の表示が"2019/05/01(水) 13:05:06"のように変わる。ちなみにこの変更はアカウント単位に管理されるよう。
以下のちょっと便利で雑多な設定をしておく。
- [設定]アプリをワンクリックで起動
- デスクトップ上端のシステムバーの左端の[アクティビティ]をクリックし、[検索ワードを入力]に"se"と入力すると[設定]アプリケーションのアイコンが表示されるのでそれをクリック。デスクトップ左端のランチャーに現れた[設定]アイコンを右クリックし[お気に入りに追加]を実行。
- 自動画面ロックの無効化
- [設定]アプリの[プライバシー]-[画面]メニューを開き[自動画面ロック]を無効にする。
- スリープさせない
- [設定]アプリの[電源管理]メニューを開き[画面のブランク]を[しない]にする。
- リモートデスクトップ
- [設定]アプリの[共有]-[リモートデスクトップ]メニューを開き、[リモートデスクトップ]と[リモートコントロール]をオン、[パスワード]に任意のものを入力、[レガシーなVNCプロトコルを有効にする]をチェックし、それの[⋮]クリックで[パスワードを要求する]を選択。
- Ultra VNC(Windows10)からアクセスすると画面の左上しか表示されない…原因不明
- Ubuntu 18.04の[Remmina]からアクセスすると表示されない…原因不明
ということでとりあえずここまで。
あとは用途に応じて好きに弄っていけばいいでしょう。