これまでF1での死亡事故やF1の安全性がひどいの記事をはじめとして、
何度かF1の安全性について書いてきましたが、
2014年10月5日に行われた日本GP決勝にて大きな事故が発生してしまいました。
今回の事故については以前から私が懸念していた
イエローフラッグ中に同じ場所で事故が起きてしまう事象に近く、非常に残念です。
当日私はLive TimingをPCで見つつ、
CSのフジテレビNextの生中継を観戦していました。
レース終盤、雨が激しくなりザウバーのスーティルがコースアウトしました。
イエローフラッグが振られるもののレースは続行。
3分後にセーフティーカーとメディカルカーが出て、その6分半後にレッドフラッグでレース中段、
さらに3分半後にはそのままレース終了が発表されました。
スーティルの事故がひどいことが原因かとも思ったのですが、
Live TimingのCOMMENTARYではスーティルは無事でレッドフラッグの原因は別とのこと。
テレビの解説ではどうもマルシアのビアンキの事故らしいとのことで、
事故現場の映像は全くないもののマルシアのピットの様子がやけに放送され、
表彰台に上った3人がビアンキに対する心配の言葉を発するなど、
ビアンキに何かあったことは確定的となりました。
表彰式の最中にはメディカルヘリコプターが飛び立ったとのレポートが入りましたし。
ただこの時点で事情を把握しているのはごく一部の関係者のみの様で
はっきりしたことが分かりません。
Live TimingのCOMMENTARYでは
今後はf1.comのトップページを見るようにと指示して更新を完了したので、
そちらとソーシャルメディアで情報収集することに。
YouTubeでFIAの説明を聞くと、
ビアンキはヘリコプターではなく救急車で運ばれたことが分かりました。
しかしヘリコプターを使わなかった理由は天候とのこと。
レギュレーションではヘリコプターが飛べない場合にはレースできないことになってるはずで、
昨年のアメリカGPのフリー走行で飛べる天候に回復するまで走行を止めた記憶があり、矛盾しています。
このことは後に訂正されたようで、ビアンキはパトカー先導の救急車で、
事故に巻き込まれたマーシャルがヘリコプターで搬送されたようです。
状況はよく分からないものの、Twitterによるとマーシャルは大丈夫らしいです。
事故当時かなりの混乱状態だったことが伺えます。
またYouTubeでレース後のスーティルのインタビューを見つけ聞いてみると
彼がコースアウトした一周後に同じところでビアンキがコースアウトしぶつかった事が分かり、
それがターン7だったことがf1.comのニュースから判明。
ターン7はf1.comのコース図によればダンロップコーナーです。
この週末、フリー走行や予選を通じて、ここでコースアウトした車って記憶にありません。
Twitterを見ていると観客席から撮影したと思われる壊れたビアンキのマシンの写真がいくつか出てきて、
ドライバーの頭部後方にあるはずのインダクションポッドがもぎ取られています。
その後事故直後の写真が掲載され、
ドライバーの頭部への衝撃が尋常でないことが推定されます。
そうしているうちにFIAの公式発表で
ビアンキが脳へ深刻なダメージを受け外科手術していることははっきりしました。
ここには手術終了と自発呼吸していることについても触れられています。
とにかく今はビアンキの回復を願うばかりです。
しかしなぜこの様な事故になってしまったのでしょうか。
直前の計時情報ではビアンキはスーティルの約40秒後方を走っており、
スーティルがコースアウトした後ビアンキは一度はそこを無事通り抜けています。
ラップタイムは2分弱(直前にトップのハミルトンで1分51秒台)なので
次の周にコースアウトするまで約3分の時間があったことになります。
それだけあればマーシャルによってスーティルのマシンの撤去は始まり、
ダンロップコーナー辺りならブルドーザーのような重機が出てくることになります。
コース手前ではイエローフラッグが振られ、ドライバーはスピードを落とすよう促されます。
が、大雨で路面状況も視界も相当悪かったことは想像に難くなく、
ビアンキのマシンは車高の高い重機に潜り込むように突っ込んだのでしょう。
後ろ向きに当たったという情報もありますが、
高さから考えればドライバーは頭部にもろに衝撃を受けたということになります。
詳細は知らないのですが、昨年同じくマルシアのテストドライバーであるマリア・デ・ビロタの
テスト中の事故がやはり車高の高いトラックとの衝突だったと記憶しており、
これを教訓にできなかったことは非常に残念です。
安全性に関してはもう一つ触れておきたいことがあります。
この週末のフリー走行だったか、予選中だったか、
解説の今宮さんが、鈴鹿サーキットのマーシャルの優秀さを伝えるために、
コースオフの多いデグナー付近のマーシャルは走行しているマシンの様子を察知して
出動の準備をするというようなことを語っていて、ぞっとしました。
それはつまり安全が確保される前にフライングするということでしょう。
運営サイドにはドライバーはもちろん、マーシャルの安全確保にも気を配ってもらいたいものです。
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