2009年1月14日水曜日

BSデジタル放送と降雨対応モード


BS放送は高度36000km上空の静止軌道衛星から電波が飛んでくることや、
12GHzの搬送波、パラボラアンテナの指向性など、
地上波と比べて受信環境が厳しいため、
悪天候時に電波障害になることがあります。
体験された方も多いかも知れませんが、
BSアナログではアナログ地上波のチューニングをずらしていったとき
(最近のテレビではそんなことできませんが)のようなノイズがのってきます。
受信電波が弱くなるにつれ横線ノイズが多くなっていき、最終的に砂嵐となります。
音声はかなりがんばるものの、歪んだり雑音に埋もれていきます。


最近BSでも地上波でも、デジタル放送はアナログ放送よりきれいと謳われていて、実際きれいです。
もちろん解像度が高いので当たり前なのですが、デジタルはノイズにも強いんですよね。
ところがこの強いという言葉がちょっと…
そもそもアナログ放送はレコードと一緒で、乱暴な言い方をすると、
信号にノイズがのるとそのノイズがノイズであるかどうかを受信側が判別できず、
そのまま表示(再生)しますが、それを人の目(耳)はノイズと認識します。
これがデジタル放送だと、複数の搬送波を使ったりデジタル変調だったりして
余分なノイズを排除しやすい構造になっていたり、
映像(音声)のエンコード形式であるMPEG-2(AAC)でエラー訂正がかかったりするため、
ある程度の電波を受信できさえすれば、
常にノイズのないクリアな映像(音声)を楽しむことができます。


ところがデジタル放送の場合、受信信号に修復不可能な部分があると、
アナログのノイズどことではないひどいブロックノイズがでたり、
まったく映像を表示できなくなったりしてしまいます。
しかも、その境界線はアナログ放送が何とか見れるよりも高いハードルが存在します。
つまり、同じテレビ(アンテナ)で、
アナログ放送が汚いながらも何とか見れていても、
デジタル放送はまったく見れないことがあるということです。


実は自宅で大晦日から正月にかけて地上波でこのようなことがおきました。
新しく購入したデジタル対応の液晶テレビでざらざらのアナログ放送を見る羽目になりました。
まあ、これは我が家のUHFアンテナのせいなので、あんまり文句も言えないのですが。


そして、先週末今度はBS放送で同様のことがおきました。
ところが、NHKのBSチャンネルについては
「悪天候のため降雨対応モードにします」というようなメッセージが表示されて、
ものすごく粗い映像で番組が表示されます。
その映像たるや、解像度がSD以下(ワンセグと同じ320×180ピクセル?)で
リフレッシュレートが半分ぐらい(15fps程度?)な、
とりあえず放送内容がわかる程度の代物です。
正直、ノイズまみれのアナログで見たほうがマシです。


しかし、降雨対応モードってものがあるとはね…
というか、昨年デジタルテレビ放送の参考書を読み漁っているときに、
そういう記述があったのを思い出しました。
災害時のライフラインたるBSデジタル放送としてはあって然るべきの機能かもしれません。
でも、民放では実装してないのかしら?


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