2011年8月2日火曜日

価格改定かよ…Nintendo3DS

7月28日の夜、Nintendo3DSの価格改定が突如発表されました。
日本では8月11日より25000円から15000円への1万円値引きが実施されます。
私のように高い価格で買ったユーザには、
任天堂側でチョイスしたソフト20本を
無料でダウンロードして遊べるようにしてくれるとのことですが、
任天堂としては今までのユーザも大切にしたいし、
新規ユーザの獲得も必要だしという難しい舵取りを迫られているようです。
私としてはダウンロードソフトより値下げのほうがうれしいのですが、
本体値下げによりユーザが増えて、より楽しいゲームが出てくれるなら
涙を呑んで納得することにしましょう。

任天堂発表の平成24年3月期 第1四半期決算短信によると、
3DS本体の販売数は6月末時点で日本国内で127万台、
全世界で432万台とかなり少なく、
4月から6月の3ヶ月間に関してはなんと日本国内で21万台、
全世界で71万台しか売れていないというかなりお寒い状況になっています。
最近3DS用ゲームの開発中止が結構発表されていますが、
この原因はひとえにこれでしょう。
このまま普及台数が伸び悩めば、
売り上げを見込めないサードパーティなソフト会社が撤退し、
Nintendo64やGAMECUBEのときのような
任天堂製のゲームしかないというようなことになりかねません。
最悪の場合任天堂自身があきらめて、
今開発中のゲームを出し切ったら
ゲームソフトの売り上げ規模の見込めるDSiをメインとして再度持ち上げ、
その間に系統の違う新機種を準備なんてことにもなりかねません。
なんとかそういう方向には行かないようにしてほしいものです。
そのための究極の方法として本体の大幅な値下げを選択するのは
やむをえないことだとは思います。

ただし今後問題になってくるのはゲームソフトのラインナップです。
私はたまたま予約できたので3DS本体を発売日に購入しましたが、
予約できなかったら今でも買ってなかったかもしれません。
というのも、本体同時発売のソフトにほしいものがなかったんです。
一応、Nintendogs+catsパイロットウイングスリゾート
ゼルダの伝説 時のオカリナ 3Dの3本は購入しましたが、
実際問題この3本のなかで本体に投資してでも
遊びたいと思うこれはという1本はないんですよね。
まあ、3本まとまったら、
あるいはこれから購入しようかなと思っているStartfox64 3Dや
11月発売のマリオの完全新作、12月の3DS用マリオカートをまとめれば、
本体の購入動機に十分なるんですけど。

私と同様に考えている方は少なくないと思っており、
今回任天堂が初めから強力なゲームを矢継ぎ早に出せなかったことが、
3DS低迷の原因だと推しています。
となると、値下げでの販売力回復は限定的でしかないのかもしれません。
残念ながら3DSは年末のマリオカートまでは苦戦するような気がしています。
いったんゲームがそろえば、ロングテールで売れ続ける可能性があるため、
来年以降は少しは持ち直すでしょうが、
それも、この夏と秋の普及の加速に失敗すれば回復不能になるでしょう。
とにかく任天堂は持っている手札をすべてオープンにして、
出し惜しみせず市場投入することが重要だと思います。

3DS版のバーチャルコンソールに、
ファミコンとスーパーファミコンとNintendo64のゲームを大量に送り込むとか、
DS版のポケモン(ダイヤモンド/パール)ぐらいを少し手直しして立体視対応にし、
安価にダウンロード販売するとか、
3DS以外の通信端末とも接続できるビデオチャットソフトを出すとか、
GoogleやFacebookのクラウドとの連携を図るとか、
ポケモンタイピングで作ったキーボードを入力機器として使えるようにするとか、
無線LANで画面データをWiiに飛ばして大きなテレビで画面が見れるようにするとか、
3DSのカメラのライブ映像をクラウンドにアップできるようにするとか、
まだいろいろな手が打てると思います。
今はとにかく3DSの販売台数を稼ぐために、
できることはすべて、とにかくスピード勝負で展開してほしいものです。

ついでなので、3DSの価格について検討してみたいと思います。
IEEEの機関紙SPECTRUMの6月11日号ではNintendo3DSの原価がUS$103.25と推定されており、
これが正しくかつUS$1=80円と仮定すれば、8280円に相当します。
実際にはロイヤリティやライセンスフィーなんかも加わるので、
1台あたりの売上原価は9000円ぐらいと考えても大きく外してはないでしょう。
Nintendo3DSの定価が25000円で消費税分を抜くと23800円、
卸値が9掛けとするなら21420円となり、
売上原価との差は12500円程となります。
1万円値下げとなれば売上原価は変わらず卸値は12900円となるので、
売上原価との差は3900円まで縮小します。
つまり任天堂の売上利益は3DS1台あたり3900円に減ります。
販売費や開発費、あるいは人件費なんかを差っぴけば、
岩田社長の言うように赤字化するのは本当なのでしょう。

何はともあれ、今回の施策で3DSが息を吹き返すことを願ってやみません。

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