去る7月11日、任天堂社長の岩田聡氏が逝去されました。
2週間ほど前の株主総会では議長をこなされお元気そうだったのですが、
急変されたということなのでしょう。
思えば昨年の株主総会直前の胆管腫瘍との発表と、
治療に要したと思われる期間やその後の氏の様子、
Nintendo Direct等への公への場への登場頻度や他者への交替、
やや焦りも見える昨期後半からの会社の方針変更を見るに、
状況は芳しくないのではと勝手に心配しており、
それが杞憂に終わらず大変残念です。
謹んで哀悼の意を表します。
それでも任天堂の経営を止めるわけにはいけません。
社長亡き今、代表権を持つ専務の竹田玄洋氏と宮本茂氏が陣頭に立つことになります。
共に生え抜きではありますが、
HAL研究所を立て直した岩田氏のように経営者としての実績があるわけではありませんし、
一昨年秋に前社長で創業家出身で筆頭株主であった山内溥氏が亡くなり、
もはや後ろ盾がない状況なのは気にかかります。
席次で言えば竹田氏が次期社長となるのでしょうが、
昨年の株主総会での司会っぷりには不安が残りますし、
年齢の面で、短期にならざるを得ないのは社業にはマイナスです。
もちろん次への繋ぎ役と割り切って就任することもありとは思いますが。
では宮本氏はというと、公な場所にちょくちょく登場する様子からすれば、
やはりクリエーター色が強く、社長向きではないと感じますし、
ときに雑用を伴う社長、もっと言うと取締役よりは、
フェローのような立場の方が氏にとって自由に活動できてよいような気もします。
経営の面で見れば常務の君島達己氏はNOAで実績があると言えますが、
武田氏同様年齢が引っかかります。
岩田氏が平取締役の中から後継指名をしている可能性はありますが、
外様としてはそれはやりにくいでしょうし、
各取締役の担当分野を見るとどうもなさそうに思えます。
はっきりこれはと思える人材を発掘できなかったのは
岩田氏の功罪のうちの罪過の部分ですね。
現状では外部(関連会社やセカンドパーティー含む)からの招聘はないでしょうし、
まさかNOAのレジー…ないですね。
まあ多分竹田氏が社長になるのだと思いますが、
正直今の任天堂は非常に舵取りが難しい状況にいます。
経営トップのさじ加減で大きく傾くことさえ想像に難くありません。
今考えれば、岩田氏が今年3月に次世代ゲーム機NXについて唐突に公言したのは、
それが任天堂の進むべき道であることを社内に宣言したかったのかもしれません。
ぜひとも任天堂らしい路線を今後も展開する事を、
一株主としても一ゲームファンとしても望んでやみません。
個人的には引退後の岩田氏と宮本氏が、昔取った杵柄で
小じんまりと好き勝手に活動してくれたら面白いのに、
と以前から思っていましたが、
それが叶わぬ夢となったことは残念です。
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