2012年6月11日月曜日

E3 2012 と Wii U

年に一度のE3(Electronic Entertainment Expo)が2012年も開催され、
いろいろなことが明らかになりましたが、
私が興味を持っている任天堂関連について、
E3前の情報も含めてここにまとめておくことにします。

私が注目していたのは、家庭用据置型ゲームマシンとして
Wiiの後継機となるWii Uについての発表です。
そのなかでも期待を寄せているのがWii U GamePadです。
数年前から大きな画面と小さくて手元にある画面の組み合わせについて肯定的な意見を持っており、
iPadでそれを確信しましたが、Wii Uで実用期になりそうな予感がします。
その当時、勤務先でそういうものを作ろうと提案したこともありますが、
残念ながら却下されてしまいました。
Wiiリモコンのような画面のポイント方法(方式は異なりますが)についても
10年程前に特許申請(特許庁にて却下)したことがありますし、
任天堂は私の物の考え方が基本的に正しかったことを証明してくれているような気もして、
私の好きな企業のひとつとなっています。
ファミコン時代の後期はむしろ嫌いな企業だったんですけどね。

閑話休題、Wii U GamePadについては商品版の詳細が明らかにされました。
が、最初にWii U PRO コントローラについて触れましょう。
Wii U PRO コントローラはWii U GamePadから
ボタン類を抜き出したクラシックなコントローラで、
4方向の十字キーとA,B,X,Yの4つのボタンとL,Rの2つのトリガーボタン、
それにstart(+)とselect(-)の2つを加えたスーパーファミコンっぽいボタン配置をベースに、
左右の2つのアナログスティックと2つの追加のトリガーボタンで
GAMECUBEとの互換性も持たせたような格好です。
ただし、GAMECUBEではトリガーボタンが押し込む強さを感知できるアナログタイプだったのに対し、
Wii U PRO コントローラは押しているか離しているかのみを感知する
デジタルタイプになっており完全互換ではありません。
Wiiのクラシックコントローラではなく
クラシックコントローラ PROと互換といえばわかりやすいかもしれません。
またNintendo64のコントローラについていたCボタン群(ボタン4つ)は
右側のアナログスティックで一応の代わりにはなりますが、
こちらも完全互換ではありません。
しかし、据置型ではWiiより前、携帯型ではDSより前のゲームに関して
操作上の互換をとりやすくなっています。
また、2つのアナログスティックは押し込みスイッチを備えているため、
他社のゲームコンソール向けのゲームに関しても
操作上は移植がしやすいということにもなります。
これならバーチャルコンソールやマルチ展開に期待ができそうです。
気になるのはモーションセンサーの類や振動機能、拡張コネクタ、
あるいはバッテリー(充電)についてのアナウンスがないことでしょうか。
充電端子らしきものがちら見できますが、miniUSBのようにも見えますし…

さて、Wii U GamePad です。
Wii U PRO コントローラをベースにしてはいますが、
シングルタッチな6.2インチのLCDをつけたため形状はタブレットのようになり、
前面カメラ、マイク、スピーカー(ステレオ、ヘッドホン端子もあり)が付いて、
もはやテレビ電話です。
いろいろな会社が、リビングのテレビをテレビ電話化する
カメラやマイクのセットを出したりしていて、
任天堂自身も音声だけですがWiiスピークなんてものを出したりしていますが、
個人的にこれはないだろうと思っていました。
iPadもそうですが、Wii U GamePadはこれに対する
より正解に近い回答だと考えています。
また、任天堂がWiiで先鞭をつけた
加速度センサーや角速度センサーに加え、地磁気センサーも搭載しており、
NFCリーダー付きということで、ほぼ最新のスマートフォンになりました。
もちろん、Wii U GamePadはWii U本体のワイヤレスなシンクライアントに過ぎないので、
外に持ち歩いて使うような代物ではありません。
無線画像転送にはWHDIのような技術を使っていると思われるので、
使える範囲はせいぜい隣の部屋ぐらいと考えておくほうがいいかもしれません。
Wii U GamePad から出力される音声の音量調整がハード的に独立しているのも
非常に地味ですがナイスな対応です。Wiiリモコンの音量調整はめんどくさかったので。
バッテリーは内蔵式で3~5時間は持つそうですが、
ACアダプタで充電しながらのプレーも可能ですし、
前述のようにそんなに本体からも離れられないので大きな問題にはならないかと。
ACアダプタの端子はNintendo3DSのと同じにも見えるので、
3DS用ACアダプタが使いまわせる可能性がありますし、
Wii U GamePad下面には充電電極らしきものもあるので、クレードルも存在すると思われます。
さらに拡張端子はWiiリモコンとは互換性のないものが付いているようですし、
振動機能が付いていることが紹介されています。
そして個人的にもっとも気になるのがテレビの電源を入れたり
チャンネルや音量を変えたりできるテレビリモコン機能です。
赤外線通信機能と低性能のCPUが乗っかっていれば実現は比較的たやすいのですが、
ワールドワイドに展開する商品なので、
どこまでのテレビに対応するかの信号のプリセットの範囲がどうなのかということです。
日本国内だけならば過去分含めて20社分ほど対応しておけば
万全とは思いますが、世界となると…どうなんでしょう。
学習リモコンになっているとマイナー機器を所有する私としては
使い勝手がよくうれしいんですけど。
あとは、テレビリモコン機能をWii U GamePad単体で実現するのか、
Wii U本体との連携で処理するのかも気になります。
デモを見るとLCDとタッチパネルを使うようですので後者かと思っていたところ
発表の中でWii Uの電源が入っていなくてもテレビを操作できるというようなことが語られており、
後者であればWii Uが起動していないと操作できないはずなので、
実はWii U GamePadは単なるシンクライアントではなく、
単体でもそこそこ動けるCPU等装備しているのかもしれません。
ガセかもしれませんが、Wii U GamePad単体でもウェブブラウズが可能などと言う情報もあるため、
サイズの大きなメモリが搭載されるのかもしれません。
性能がいいのはうれしい反面、価格が心配になってきます。

1台のWii Uには2つのWii U GamePadがつながることが明らかになりましたが、
2台の場合は表示のリフレッシュレートが落ちるそうです。
2台使ってアメリカンフットボールのヘッドコーチ目線の対戦ゲームとか、
かなり盛り上がりそうです。これはアメリカ限定でしょうが。
Wii U PRO コントローラとWiiリモコンあわせて4台までつながるので、
多人数プレーゲームもWiiの過去ゲームもしっかり遊べます。
もちろんヌンチャクもクラシックコントローラもバランスWiiボードにも対応しています。
ついでに言えばカラオケゲーム用にWii用マイクも使えそうです。
Wii U用の新作ゲームでもWiiリモコンは遊べるのようになるでしょうし、
むしろWii U GamePadよりWiiリモコンの方がよいゲームも出てくるでしょう。
ピクミン3はそうみたいです。
Wii Uの本体パッケージにWiiリモコンを同梱するのかはまだ発表がありませんので、
このあたりどう対応してくるか見守りたいと思います。
そうそう、GAMECUBEのコントローラーには非対応ですし、
そもそもGAMECUBEとの互換性は完全になくなっています。
GAMECUBEのゲームは、きっとバーチャルコンソールで遊べるようになるでしょう。

長いことコントローラについて書いてきたのでWii U本体についても
明らかになっていることを書いてみます。
といっても大して書くこともありません。
概観や機能的には基本Wiiの系譜を踏襲したオーソドックスな進化で、
GAMECUBEとの互換性を丸ごと削除したと言うところでしょうか。
もちろん性能に関してはCPU(IBM Power系)、GPU(AMD Radeon系)、メモリ関係ともに
具体的な数値は不明ながらもそれなりのパワーアップがあるはずです。
機能で加わったのはHDMI出力による高解像度映像や高音質音声と
IEEE802.11nのより高速な通信、
それに前面の2ポートのUSBホスト端子ぐらいに見えます。
無線LANがa(5GHz)に対応していないのは、
Wii U GamePadへ映像を送る周波数との干渉を意識してあえて外した可能性もあります。
ハード面ではこれぐらいでしょうか。
いや、最初から白と黒のカラーバリエーションがあるのが実は大きなニュースかも。

ネットワークについては、だいぶ前にニンテンドーネットワークの構想が発表され、
ゲームのパッケージ販売とダウンロード販売の併売もまもなく開始されますが、
今回発表されたMiiverseは興味深いですね。
ゆるいSNSっぽく私は好きです。
表現も3D空間とか妙にリアルな方向に進むのではなく、
任天堂らしくゲームみたいで楽しそうです。
Miiがピクミンみたいでいいですね。
もしかしてピクミン3にはMiiが出演か?などと勘ぐってしまいます。
お勧めなゲームのアイコンをMiiがわらわら運んでくるとかされると、
とりあえず体験版ぐらい遊んでみようかなという気になるかもしれません。
Wii U版と同一ではないでしょうが、Web版も用意されるので
とりあえずデバイスを選ばずアクセスできるのはいいことです。

ゲームラインナップについて、現在私が気になっているものを抜き出すと、
Wii Fit より使い勝手かよくなって今度こそ続けられるかもしれない Wii Fit U、
WiiでのはじめてのWii的な位置づけでパーティーゲームっぽくも使えそうなNintendo Land、
定番のNew Super Mario Bros U、個人的に待ちに待ったPikmin3、
よくわからないけど面白そうなProject P-100とTANK TANK TANKあたりでしょうか。
New Super Mario Bros UとNintendo Landはローンチソフトのようですが、
そのほかはよくわかりません。
私の場合はPikmin3しだいで購入時期が変わる可能性もあります。
ゲームではないですがHulu等のVODも充実しそうですし、
MiiverseをWii U GamePadで環境ソフト的に動かしておくのも面白いかもしれません。

発売日はまだ未定ですがクリスマス商戦を考えると多分11月ではないでしょうか。
価格も未発表ですが、もし2万円を切ってきたら、
深く考えずにとりあえず発売日に買ってしまうでしょう。
もし3万5000円を超えるようなら長期にわたって様子を見ることになる気がします。
例えばWiiのACアダプタセンサーバーD端子ケーブル等を使いまわすこと前提での、
Wii U本体とWii U GamePad(充電用ACアダプタやクレードルもなし)を1台セットにしただけの
最小構成パッケージで2万円なら私としては非常にうれしいです。

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