2012年2月3日金曜日

ワイヤレスHDMI

普段自宅で使うためだけのPCについて考えたとき、
画面やキーボードは大きいほうが使いやすいので、
やはりデスクトップ使いやすいのですが、
デスクトップだと持ち運ぶのが難しく、
こたつの上で使おうなんてことになると
大きめなノートPCというのも選択肢としてはありだったりします。
ただ大きめといっても画面的にはせいぜい15インチが上限で、
そのあたりデスクトップに優位点があります。
それらの折半案として存在するのが
iMacのような一体型デスクトップで、
これなら必要なときだけコタツの上に持ってくることが可能ですし、
無線LANを使えばわずらわしいケーブル類も電源コード一本で済みます。
キーボードマウス(トラックパッド)も無線にできますし。

が、いろいろな都合があってしばらくはPCを買いたくなく、
現在はiPadをメインに、サブで画面もキーボードもかなり窮屈なnetbookで我慢、
どうしても必要なときにデスクトップを使うというように運用しております。
このデスクトップはキーボードマウスも無線化しており、
長めのHDMIケーブルでモニタとつなぐことで、
本体は定位置のまま、モニタをコタツの上に持ってきて使っています。

そんな環境が長い間続いていたのですが、
かなり前から気になっていたワイヤレスHDMI(WHDI規格品)をついに購入してしまいました。
I・O DATAのWTR-HDAV/Aです。
この製品はHDMI出力機器に接続する送信機と
HDMI入力機器につなぐ受信機をセットにした製品で、
純粋にHDMIケーブルを無線化できる代物です。
送信機と受信機はほぼ同じ筐体が使われていて、
大きさは紙で例えるとB6ぐらいでしょうか。
本体は気になるほど厚くはありませんが、
熱対策のためについているゴム足がかなりの高下駄で正味倍ぐらいの厚さになっています。
送信機と受信機ともACアダプタによる給電となります。
私は100円ショップで買ったプラスチックのかごをモニタの背中に貼り付けて
受信機とACアダプタをかごに収めなんちゃって一体化して使っています。

それではWTR-HDAV/Aの使い心地について書いてみましょう。
本体がそれなりに大きいのと、少々熱を持つため、
あるいはACアダプタもそんなに小さくはないので、
設置の自由度はやや制限されますが我慢できる範囲でしょう。
送信機についてはHDMIの入力が2系統あり2:1のセレクタとして動作します。
系統の切り替えは送信機本体と受信機本体のどちらからでも
ボタン操作でできるようになっておりますが、
付属のリモコンでも可能で、
このリモコンの信号は当然送受信機どちらでも受け付けてくれます。
送信機と受信機が別々の部屋にあるような運用でも不便になることはありません。
また送信機にはHDMIのパススルー出力がついており、
受信機で表示しているのと同じ映像を送信機側でも表示可能です。
つまりHDMIの1:2の分配器としても使えるということになります。
DHCPにも対応しているようで3波レコーダのDTV-X900の出力も飛ばせることが確認できました。
ちなみにWTR-HDAV/AのHDMI入力の前段にHDMIセレクタをはさんでも問題なく表示されました。

WTR-HDAV/Aの起動は送受信機それぞれで電源ボタンを押す必要があり、
送信機が離れたところにあると遠隔操作できなく面倒なので
やおらつけっぱなしにしておくことになります。
環境に厳しい使い方ですね。
また電源オンから受信機側のモニタに表示できるようになるまで
信号のサーチ含めて1分ぐらいかかります。
動き出せば転送遅延は感じられません。
パススルー信号とWHDIでの転送信号を2つのモニタを並べて比較しても
人間の感覚では完全に同時です。
PS3のアクションゲームをちょこっと遊んでみましたが
操作に対する反応を見る限り遅延は感じられません。
ただし、送信機の電源を入れてパススルーしたHDMIの映像は、
受信機とのインターリンク開始の瞬間等の切れ目に最大10秒程ブラックアウトします。
パススルー側のモニタで場面の見逃しが発生したり、
アクションゲームでの致命的なミスにつながるかもしれません。

電波強度は3段階から選択できますが、
標準で最大になっているのであえて変更する必要はあまりないと思います。
無線周波数が無線LANのIEEE802/11aとかぶっているようなので、
その辺と混線するようならパワーを下げろということでしょう。
なお無線チャンネルは3以外の1から9チャンネルを使えるようになっていますが、
1080pの無圧縮転送に必要な3Gbpsを稼ぐために40MHzの帯域を使用しているようで、
説明書にある中心周波数を見ると下表のようになり、
無線LANをうまく避ける必要があります。










チャンネル番号中心周波数占有するIEEE802/11aのチャンネル
15190W52の36chと40ch
25230W52の34chと48ch
45310W53の60chと64ch
55510W56の100chと104ch
65550W56の108chと112ch
75590W56の116chと120ch
85630W56の124chと128ch
95670W56の132chと136ch

とりあえず自宅ではIEEE802/11aは使っていないので混線の心配はないでしょう。
ところでリモコンで無線チャンネルを変更しようとしても
2種類ぐらいしか切り替わらずなぞです。
なお、チャンネル切り替え時に画面表示が途切れることはありません。

で、電波強度が最強での送受信機間の距離についてですが、
二階建ての木造家屋で私が試した範囲では結構狭く、
直線距離で5m、見通しで10m程度が限界でした。
限界付近になると最初に音声が消えるのがなぞです。
なお直線距離では間に厚い壁がある状態です。
このとき直線距離はほとんど変えずに見通しで+1mすると映像が消えるので、
やはり5GHz帯で透過性が低く、反射波で通信していると想像されます。
長いHDMIケーブルで置き場所を工夫しても、
自宅の間取りとAV機器の設置場所を考えると部屋間通信するのは無理そうなので、
当初の目論見どおり部屋内のPCモニタの無線化にしか用途がなさそうです。
これでも十分目的は果たせ満足していますが、ちょっと寂しいですね。

ちなみにWTR-HDAV/Aでは受信機本体(モニタ側)に赤外線リモコンの受光部が、
送信機本体(映像出力機器側)に赤外線リモコンの発光部がついており、
キャリア波長950nm、周波数38KHz、47KHz、58KHz(周波数は付属リモコンで切り替え)な
一般的な赤外線リモコンの信号が中継できます。
付属の赤外線発光部延長ケーブル(発光部3つ付き)を送信機に、
赤外線受光部延長ケーブルを受信機に接続することもできます。
つまり、居間にあるBDレコーダの映像をシアタールームのテレビに映すような場合、
BDレコーダのリモコンの信号を受信機で受け取って
送信機で復元してBDレコーダを操作するようなことができるということです。
使い方によってはこれは便利ですね。
というかこういう機能がないと実質使えない場合も多いはずです。
が、どうやってもうまくいきません。
デジカメでWTR-HDAV/Aの赤外線送信部を見ても
光っている様子が全く見られなく、どういうことなんだか。

I・O DATAのサポートセンターにその旨連絡したところ、
製品を交換してみることになりました。
で、タイミングが悪く2週間以上かかった交換の結果ですが、
最初に試したところでは前回同様動作しませんでした。
ところが、送信機と受信機の距離を限界付近まで離すとリモコン信号の転送ができるようになりました。
もしや電波強度からなんとなく距離を割り出して
同じ部屋にあるようなら機能を無効にしているのかとも思いましたがそうでもないようです。
というのも、正常動作している状態を保持しつつ距離を50cm程度に近づけても
ちゃんと動いていますし、
受信機の電源を入れなおしてもリモコンは効きます。
なんだかよくわかりませんが、
リモコン信号の転送は成功するようになりました。
なんだったんだろう…

余談になりますが、HDMIとリモコンといえばCECが思い浮かびます。
説明書によると受信機側についてはCECに対応している旨記述があるものの、
私の手元にCEC対応製品がないため動作確認はできていません。

ノートPCには到底無理な大きなモニタを使って
簡易ポータブルPC環境を作成できたことで、
デスクトップPCが便利になり使用頻度が上がって
ネットブックを自宅で使うことが激減しそうです。
まあ外に持って出ることもほとんどないので、
引退に追い込まれるかもしれません。

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