昨年末、東芝がCELLを製造している半導体工場をソニーに譲渡するというニュースが流れ、
じゃあ CELL REGZA はどうなるんだろうと思っていたら、
CES2011で東芝からCEVOなるものが発表されました。
要はソフトウェア処理主体からハードウェア処理主体への回帰ということらしく、
CELLはお払い箱ということなのでしょう。
CELLはピーク性能は稼げてもデータ転送・共有や処理の同期、
さらにはプログラミング時にリソースを意識する必要があるなど開発難度は高いですし、
そもそも最大処理量を見越してSPUのユニット数を決めると、
あとであれにもこれにも使いたいとやりたいことが増えていくと
そのユニット数では足らなくなるという、
なんだか矛盾した思想になっています。
実際、PlayStation MoveはそのためだけにSPUを1つ占有してしまうということですが、
いまどきのマルチタスクっぷりを考えると
そもそも占有という考え方自身どうかしてるということになります。
もちろん単機能の組み込み機器向けでは問題にならないのですが。
SPUのマルチスレッド対応なんてのも考えられますが、
そうなるとメモリ空間や演算リソースの拡張が必要で、
それなら普通のマルチコアCPUでいいじゃないかということになり、
現在のIntelやAMDの考え方のほうが理にかなっているといえるのではないでしょうか。
ずいぶん前に書いたことがあったと思いますが、
CELLのアイディア自体は昔からあるCPU+DSP的な考え方で
特に目新しいものでもありませんでした。
しかし、あれを本気で使いこなそうと実際に作ったことはすばらしいことと感じています。
実際、最近のCPU+GPUのワンチップ化トレンドはCELLが原点と認識しています。
世の中を見ると、いいアイディアはより洗練されて別の形で行き続けることも多く、
CELLのアイディアもそうなっていくのではないでしょうか。
PS4がどうなるかにもよりますが、CELL自身はあだ花として消えていく運命なのかもしれません。
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