2014年1月27日月曜日

任天堂が今後打つ手は?

先日任天堂が業績の下方修正を行いました。
そもそもWiiUの期首の目標販売数に対しては、
発売予定のゲームを考えるとはなはだ疑問だったので、
私としては織り込み済みだったのですが、ここまで発表を延ばしたのは、
故山内溥所有の相続で株式の自社株買いのコスト圧縮のため、
とか考えるのはさすがに穿ち過ぎでしょうか。
ともかく任天堂が今後どうすべき外野から無責任にワーワー言ってみたいと思います。

まず無茶な計画は立てないということでしょう。
もともと今年の業績については営業利益1000億円から逆算したものだったのでしょうが、
その結果WiiUを全世界で900万台販売というのは楽観しすぎでしょう。
本体発売から2013年末までの13ヶ月に任天堂が発売元のパッケージソフトは12本、
そのうち、The Wonderful 101レゴシティ アンダーカバーレイマン レジェンド
マリオ&ソニック AT ソチオリンピックは外部開発、
ゼルダの伝説 風のタクト HDは2世代前の機種からの移植、
New スーパールイージ Uにいたっては追加コンテンツの切り出しです。
さらに発売から半年で言えば3本というのは、
本体ファームウェアの出来もあわせていかにも準備不足でしょう。
もちろんそれ自体は戦略として間違っているとはいえませんが、
販売目標が900万台というならそれなりの本数を用意すべきだったと思います。
実際ちょっとマリオ(New スーパーマリオブラザーズ Uスーパーマリオ 3Dワールド)が
遊べればいいや的な私は別に不満はありません。
私としてはWiiUゲームパッドを生かすキラーコンテンツが皆無だったことの方が残念です。
WiiUゲームパッド自体は良く出来ていて、
個人的にはよほどのことがない限りテレビを使わずWiiUゲームパッドのみで遊んでいますし、
むしろテレビを使わざるを得ないピクミン3のようなゲームの方に疑問を感じたりします。
しかし、それなら大きな画面を持った携帯機でいいわけで。
おそらく任天堂自身がその答えを出せないまま製品化してしまったのだと思います。
WiiWii SportsのようなWiiリモコンに対する1つの答えを出せていないのは痛いです。
もちろんNintendoDSのように本体発売後に脳トレのような答えを見つけることもあるので、
WiiUがこのままだめになるとは思っていませんし、
マリオカート8等そろってくればもう少し何とかなるとは思っています。

別の観点から言えば、それだけ売れなければ利益が出ない体制になってしまったことは問題でしょう。
昨年の株主総会で株主からのリストラについての質問で、岩田社長が
「社員がリストラにおびえながら作るゲームは面白いのか?」というような趣旨(質疑応答のQ10)の
解答を行っていましたが、もはやそうも言ってられません。
日本でもかなり給与水準が高い任天堂を、その面では少なくとも普通の会社にし、
それでも大きすぎるなら規模の縮小は避けられないと考えます。
しかしそれより心配なのは人材の質です。
開発者へのインタービュー記事社長が訊くを見ていると、
登場する任天堂の社員の方はプロデュースや窓口担当で
実際の開発は外部の協力会社で行っているようなケースが少なからず見受けられますし、
また、ずっと同じシリーズのゲームに携わっているなどというような話も出てきます。
記事の性質上インタビュイーに偏りがみられるのは理解できますし、
外部リソースを有効活用することに異議はないものの、
将来的に悪い意味で偏った人材しかいなくなるのではと危惧しています。

取り留めのない話はここまでにして、
WiiUについてこれから何が出いるのか考えてみたいと思います。
まずの本体価格の高さが問題だと思います。
といっても現行製品を単に値下げすると言うことではありません。
コストカットした廉価版を出し現行製品と併売することです。
BDドライブを外してダウンロードソフト専売にする方法もなくはないですが、
そうなると大容量のストレージが必要になるわけで、
実質HDDが必須となり初期コストが余計に高くなります。
なのでBDドライブはそのままにします。
他に取れる部品と言えばWiiとの互換のためのメモリやSDメモリソケットがあります。
現行品との併売であればこれらは取ってしまっていいと思います。
また、カラオケの音声遅延問題もあるのでステレオ音声のラインアウトだけは残すとしても、
すでにHDMIが普及している今、マルチAVアウトを廃してしまってもいいでしょう。
USB端子も4つから2つに減らし、筐体の金型は現行のものをそのまま流用して、
よりコストの安い素材や色や仕上げにすれば少しは安く出来るでしょう。
地味ですがバリューエンジニアリングなんてそんなものです。

WiiUゲームパッドについても、
現在NFCを使う具体的なプロジェクトがないなら外してしまい、
どうしても必要なときはWiiUゲームパッドの拡張コネクタ、
あるいはWiiU本体のUSBにつなぐ汎用デバイスの外部調達でもいいのではないでしょうか。
またLCDはNintendo3DS LLの下画面の部材を流用して小さくし、
Wiiリモコン用の赤外LEDをなくし、テレビコントロール機能も外し、スピーカーもモノラルにし、
バッテリー容量も小さくしてNintendo3DSACアダプタで充電できるようにする、
というのはどうでしょう。
もしWiiU本体とゲームパッドで5000円安い廉価版を出せればPlaystation4の半額に出来そうです。

もっと言えば、3DSに拡張スライドパッドのようなコントローラ付きの枠をはめて、
WiiUからの映像を受信する無線システム内蔵のゲームカードを挿すことで、
3DSをWiiUゲームパッドの代わりに出来るようにし、WiiU本体のみを1万円、
3DSに付けるキットを5千円で販売できれば展開が変わってくると考えます。

これらを実現するにはいろいろなハードルはあるでしょうが、
発売からまだ1年のWiiUを見捨てるのは早計でしょう。
それでなくてもゲームによってはWiiリモコン等が必要で、
初期費用が高くなりがちなWiiUを安く見せることは不可欠です。

もちろんソフトウェアの強化は必要条件となります。
海外の小規模デベロッパーの取り込み事業はそろそろ結果が出てくる頃ですし、
任天堂のおなじみのフランチャイズの新作もだんだんそろってくるとは思います。
ただ、壁を突き抜けるにはやはりWiiUゲームパッドに対する答えが必要でしょう。
個人的にはタッチパッド・手書きがキーワードだと考えています。
身振り手振りのジェスチャーもいいですが、
据置型ゲーム機の標準セットでの手書きはWiiUならではですから。
タッチパッドのみを使ったFSPのメトロイドプライムとか、
手書きジェスチャーでコマンドを発行するRPGのポケモンとか、
ユニットの移動を手書き線で書いていくシミュレーションのアメリカンフットボールゲームなど、
面白そうな分野はいくらでもあると思うんですよね。

さて次は携帯型ゲームについてです。Nintedo3DSは発売から3年を迎え、
今までのパターンであれば0.5世代進化した新機種が出てきてもおかしくない時期にさしかかります。
実際任天堂のいつものゲームはあらかた出尽くそうとしていますし。
もちろんまだまだ3DSは売れていますから、
現在のインストールベース切り捨てるようなことをしてはいけませんが、
今後も3DS用ゲームが主流であることを前提に、より付加価値の高い機種を出すことを考えてみると、
以下のような機能を追加する余地はあるのではないでしょうか。
  • 上画面のタッチ化
  • 下画面のマルチ(2点)タッチ化
  • LCDの高解像度化
  • LCD一体型平面スピーカー
  • SDカードのSDXC対応
  • 上画面キャビネットの薄型化
  • 右スライドパッド
  • 振動モータ
  • Bluetooth
  • NFC
  • ワイヤレス充電
  • 地磁気センサ
  • GPS
  • USBデバイス/ホスト
  • 超音波の送信・受信
  • 圧力センサ
  • プロジェクター
徒然なるままに書いただけですが、単なる機能アップから、
使いようによっては面白いことが出来そうなものまであります。
もちろん任天堂はコストアップに見合う使い道を見つけてくるはずです。
あるいは先に書いたようにWiiUとの連携をもっと積極的にした機種も可能性はあると思います。

そのほかにも任天堂にはトランプ、花札、百人一首、麻雀などリアルゲームもありますし、
世界的に良く知られたキャラクターもたくさん持っているので、いろいろな可能性はあります。
ただ私が望むのは任天堂にはあくまでおもちゃ屋であってほしいということで、
映像事業やアミューズメント(テーマパーク)事業、
また他社ハードへのゲーム開発はやってほしくないということです。
個人的に期待するのはロボット事業です。
もちろん本格的なおもちゃロボットというよりは、
ファミコンのロボットを彷彿とさせるようなWiiUや3DSと絡めたものです。
それが面白いかどうかは妄想次第ですが、
リアルとバーチャルを行き来するようなゲームとか、
低年齢の子供向けで何か冒険をしてみてもいい気がします。
財務的には十分余裕があるのでいろんな方向に踏み出してほしいものです。

0 件のコメント:

コメントを投稿