2006年11月8日水曜日

Wiiリモコンのオーディオ(1)

ローム社のニュースリリース(http://www.rohm.co.jp/news/061107.html)をみると
    ADPCMデコーダ技術を採用したLSIは任天堂株式会社様の新型ゲーム機「Wii」の無線式コントローラにも搭載される
とあります。


以前のWiiリモコンについて「Wii リモコンについての推測」で予想しましたが、
新たに得られた情報を踏まえて改めて推測してみます。


最初に本体とリモコン間の通信に用いられる Bluetooth についてです。
Bluetoothと無線LANの制御ICはBroadcom社製であることが発表されており、
両者の干渉低減技術が採用されているとのことですが、
これは独自技術でないのなら Bluetooth の AFH のことかと。
AFH は1.2以降に加わっているので、
Wiiで利用されているBluetoothは 1.2 と 2.0+EDR のどちらかということになります。
現在、Bluetoothは 1.2 と 2.0+EDR の価格差はそれほどありません。
製品(PC用USBドングル)で比べると価格差は数百円程度ですし、
汎用の制御ICを見ると 2.0+EDR のほうが目に付きますので
本体側は 2.0+EDR を採用しているのではないかと。
Wiiリモコン側は用途やコストを考えると 1.2 の制御ICを使っているような気がします。
ただ、2.0+EDR は 1.2 の上位互換でデータ転送速度の高速化と消費電力の低減が主な特徴ですので、
リモコン側も 2.0+EDR の可能性は十分あるでしょう。


さて、Bluetooth では7つまでのデバイスを同時に扱えるので
物理的なリモコンの最大接続数は7つとなりますが、
Wiiの仕様をみると4つまでに制限されています。
Bluetooth 1.2 の最大転送レートは1Mbpsで、
有効データレートを60%として600kbps、
リモコン1つあたりでは150kbsp程度を使えることになります。
リモコンの操作データに関しては、
最大限に見積もって 100サンプル/s,16バイト/サンプル と仮定しても20kbps以下です。
となれば上下の音声データ用に各64kbpsは確保できるわけで、
これは Bluetooth の HSPに使われているSCOの上限と一致します。
まあ、マイクがないので今のところ上りは関係ないですが。


もちろんA2DPで転送する可能性もありますが、
A2DPの標準コーデックSBCは明らかにオーバースペックで、
A2DPの上にADPCMを載せるような格好になるのではないでしょうか。
まあ、その時点でA2DPとは呼ばなくなりますが。


今回の情報によりWiiリモコンから出る音はADPCM形式で転送されていると考えられますので、
8kHz,8ビットぐらいにしておけば、
音声と効果音程度をあのスピーカで出すには十分でしょう。


長くなりましたので続きはまた明日にでも。
なお、以上はあくまでも私の推測ですので。

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